『もっと博物館が好きっ!ーみんなと歩む学芸員−』

・・・昨今のミュージアムは,訪れた人数や得られた収益などによる一面的な評価でなく,各館ごとの多様な評価のされ方が求められています。またこれまで以上に学校や家庭,地域社会との連携も模索されています。一方,2011年に発生した東日本大震災は,ミュージアムによる資料を守り,遺し伝えるという役割の大きさも重視されるきっかけとなりました。

 わたしたちは,こうしたミュージアムのさまざまな役割,多彩な魅力・楽しみ方,現場で働く学芸員の苦悩,こだわりや思い,また周辺住民だけでなく,ある年齢層や特定のマニアなど,意外?にも社会のさまざまな人々とつながって,利用者みんなで歩んでいるミュージアムの姿を多くの人々に知ってもらいたいとの思いから,本書をまとめました。・・・

 

                                                「はじめに」より

書誌情報

書 名 もっと博物館が好きっ!ーみんなと歩む学芸員ー
発行年 2016年2月28日発行
編 著 四国ミュージアム研究会 編
発行所 株式会社教育出版センター
定 価 2,000円(本体価格)
ISBN 9784-905702-80-1

編集体制

編集委員会(※所属は刊行当時)
愛媛県
小林真吾(愛媛県総合科学博物館)
高嶋賢二(伊方町町見郷土館)
香川県
一柳友子(香川県立ミュージアム)
野村美紀(香川県立ミュージアム)
高知県
奥田奈々美(横山隆一記念まんが館)
門田由紀(安芸市立歴史民俗資料館)
田井東浩平(土佐山内家宝物資料館)
永橋禎子(高知県立文学館)
徳島県
磯本宏紀(徳島県立博物館)
田代優秋(和歌山大学)
長谷川賢二(徳島県立博物館)
松下師一(松茂町役場)

目次(※執筆者の所属は刊行当時のものです)

ごあいさつ口上・はじめに

【 §1 調べる・みつける 】
これ本物?偽物?:三浦 夏樹(高知県立坂本龍馬記念館)
ボランティアとともに取り組む調査ー定点観測の試みー:野村 美紀(香川県立ミュージアム)
佐田岬みつけ隊の調査活動:高嶋 賢二(伊方町町見郷土館)
小さな町の学芸員と自治体広報誌ー宣伝・啓発から知的追体験へー
:松下 師一(松茂町歴史民俗資料館・人形浄瑠璃芝居資料館)
地域・家の歴史と博物館展示ー部門展示「富岡町本吹田家の歴史」を通してー:松永 友和(徳島県立博物館)
埋もれた資料に光をー近代のやきものは歴史を語るー:石岡 ひとみ(愛媛県美術館)
仏像調査ー香川県立ミュージアムスタイルー:三好 賢子(香川県立ミュージアム)
【 §2 守る・遺す 】
お寺のなかのミュージアム:松原 潔(善通寺宝物館)
資料館を建てるぞ!!ー豊永郷からの試みー:釣井 龍秀(豊永郷民俗資料館)
地方消滅時代の地域博物館:梅野 光興(高知県立歴史民俗資料館)
民俗資料を伝えていくために:田井 静明(瀬戸内海歴史民俗資料館)
地域の記憶を守る,伝えるー土佐山内家宝物資料館の取り組みー:田井東 浩平(土佐山内家宝物資料館)
博物館の裏側からの普及事業ー職場体験で歴史資料に触れるー:芳地 智子(香川県立ミュージアム)
”今”が”歴史”に変わるまでー写真資料の修復作業記録ー:冨士 久美子(松茂町歴史民俗資料館・人形浄瑠璃芝居資料館)
地方理工系博物館の資料探索ーグローバルの中のローカルー:久松 洋二(愛媛県総合科学博物館)
自然の中の博物館:左海 きほ(四国民家博物館)
四国の哺乳類の歴史を記録し,伝える:谷地森 秀二(認定特定非営利活動法人四国自然史科学研究センター)
動物園というミュージアム:椎名 修(愛媛県立とべ動物園)
資料収集における博物館と人のつながり:山田 量崇(徳島県立博物館)
博物館を支えるモノー東日本大震災標本レスキューからの教訓ー:小林 真吾(愛媛県総合科学博物館)
大規模災害から文化財を守るためにーその時なにができるか,今なにをすべきかー:森脇 崇文(徳島市立徳島城博物館)
【 §3 伝える・見せる 】
夜の展示室と資料のささやき:桑野 あさひ(徳島市立徳島城博物館)
小さなこだわりを積み重ねてー子規博の展示解説パネルからー:上田 一樹(松山市立子規記念博物館)
文書館の展示ー資料利用件数を増やすためにー:宮田 克成(三豊市文書館)
ひな人形の展示をめぐる雑感:門田 由紀(安芸市立歴史民俗資料館)
銅像を楽しむー街の中から美術館へー:梶岡 秀一(愛媛県美術館)
市民(化石愛好家)との協働による展示会の試みー「みんなの化石コレクション」を例にしてー 
                               :辻野 泰之(徳島県立博物館)
誰かにしゃべりたくなる展示を作りたい:矢野 真志(面河山岳博物館)
資料の思いを伝えたい:山本 一伸(さぬき市歴史民俗資料館)
テーマ館を育てること:田中 謙(今治市村上水軍博物館)
新しいテーマに挑戦できる学芸員の醍醐味ー企画展「いただきま〜す!」で学校給食の展示コーナーをつくる試みー
                               :磯本 宏紀(徳島県立博物館)
「フクちゃんとサザエさんの時代」展ができるまで:奥田 奈々美(横山隆一記念まんが館)
民具と子どもと博物館:松井 寿(愛媛県歴史文化博物館)
ミュージアム×古美術×未就学児ー「小さなこどもの観覧日」の一歩ー:松岡 明子(香川県立ミュージアム)
【 §4 結ぶ・広げる 】
ようこそ!坂の上の雲ミュージアムへー子どもたちとミュージアムとの交流ー:徳永 佳世(坂の上の雲ミュージアム)
未就学児と青年の歴史系博物館利用:大本 敬久(愛媛県歴史文化博物館)
子どもだった僕に大人がつないでくれた博物館という世界:村田 昌也(徳島市立考古資料館)
さかしま美術館:高畠 麻子(高畠華宵大正ロマン館)
子どもたちを子規博へー子規博,創成期の挑戦ー:平岡 瑛二(松山市立子規記念博物館)
学芸員になって思うこと:大栗 美菜(徳島市立考古資料館)
ありがとう,郷土美術館。:松尾 栄子(新居浜市立郷土美術館)
『あかつき館』新米館長奮闘記ーブログ「クジラのあくび」よりー:山沖 幸喜(大方あかつき館;上林暁文学館)
何ができるか,何をすべきかー考古学と現代ー:岡本 治代(徳島県立博物館)
「おもしろい」展示館を目指して:宮武 尚美(宗吉かわらの里展示館)
ミュージアムを舞台裏から楽しむ!:西 記代子(徳島県立博物館)
「ミュージアム」の外へー香川県立ミュージアムの館外活動・ヒストリーモバイル事業ー
                               :御厨 義道(香川県立ミュージアム)
文学散歩のススメ:永橋 禎子(高知県立文学館)
動物園のちょっと意外なお仕事:前田 洋一(愛媛県立とべ動物園)
守り続けるための”新種”の情報発信:松田 春菜(徳島県立佐那河内いきものふれあいの里)
自然に良いことをしたいと思ったときにまず相談する人ー不安を取り除き筋道をしめしてくれるインテーカー
                               :田代 優秋(徳島県立佐那河内いきものふれあいの里)
市民・企業・行政が共に目指した「文化の町・八幡浜」ーメセナ八幡浜の20年と地方美術館ー
                               :井上 千秋(八幡浜市民ギャラリー・郷土資料室)
地域振興における美術館の役割ー町立久万美術館を事例にー:神内 有理(久万高原町立久万美術館)
1枚のチラシからー博物館広報雑感ー:河村 章代(高知県文化生活部文化推進課)
【 §5 四国ミュージアム研究会の歩み 】
結集と討議の原点をかえりみてー四国地区歴史系学芸員・アーキビスト交流集会と四国ミュージアム研究会のことー
                               :長谷川 賢二(徳島県立博物館)
四国地区歴史系学芸員・アーキビスト交流集会の歩み
四国ミュージアム研究会の歩み

 ミュージアム・インデックス (執筆者所属施設情報)

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